■経営者は常に5つの借金を抱えている
- 「表の借金」が2つ
- …設備投資資金・運転資金
- 「裏の借金」が3つ
- …事業承継資金・退職金積立不足・高雇用コスト
- 「裏の借金」のうち「事業承継資金」「退職金積立不足」は、事前に準備をすることができますので、早めに取り組むほうがいいでしょう。
■退職金の優遇税制
- 退職所得金額の算出方法
(退職金−退職所得控除額)×1/2
=課税退職所得金額×税率=所得税額
- 退職金課税には、大きなメリットがあります
- 1:退職所得控除
2:1/2課税
3:分離課税
1:退職所得控除
- 勤続年数に応じた非課税枠が退職金にはあります。
勤続年数20年以下の場合、1年につき40万円の非課税枠
退職所得控除額=40万円×勤続年数
勤続年数20年超の場合、20年超部分は1年につき70万円の非課税枠
退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数−20年)
・(例)勤続20年の場合
退職所得控除額:40万円×20年=800万円
800万円までの退職金であれば無税
・(例)勤続年数40年
退職所得控除額:40万円×20年=800万円
70万円×20年=1,400万円
800万円+1,400万円=退職金2,200万円
2,200万円までの退職金であれば無税
「退職金」であれば、勤続20年で800万円、勤続40年で2,200万円までを無税で受け取ることができます。
2:1/2課税
- 退職所得の計算では、上記1の退職所得控除を引いた残りの金額がある場合、その金額に対して、さらに1/2課税という大きな特典があります。
(例)退職所得控除後の所得金額が3,000万円の場合
3,000万円×1/2=1,500万円
となり、課税対象所得は1,500万円となります。つまり、どれだけ多くの退職金をもらっても、最大で半分しか課税されない、逆に言うと半分は非課税で受け取れるのが退職金(退職所得)の最大のメリットなのです。
3:分離課税
- 退職所得は他の所得(給与所得や不動産所得、事業所得等)と区分され、単独で税率計算がされます。このことを分離課税と言います。他の所得が多い方ほど、分離課税で計算されると節税メリットが大きくなります。
- 所得税の速算表(平成19年分から)
課税される所得金額(千円未満切捨て) |
税率 |
控除額 |
195万円以下 |
5% |
0円 |
195万円超〜330万円以下 |
10% |
97,500円 |
330万円超〜695万円以下 |
20% |
427,500円 |
695万円超〜900万円以下 |
23% |
636,000円 |
900万円超〜1,800万円以下 |
33% |
1,536,000円 |
1,800万円超 |
40% |
2,796,000円 |
■退職金の優遇税制の活用
- 勤続年数40年の社長が、退職金を受け取る場合
(例1)3,000万円の退職金を受け取る場合
(3,000万円−2,200万円)×1/2×税率20%−控除額427,500円
=372,500円(所得税)
手取り 約2,962万円 実効税率 約1.2%
(例2)5,000万円の退職金を受け取る場合
(5,000万円−2,200万円)×1/2×税率33%−控除額1,536,000円
=3,084,000円(所得税)
手取り 約4,691万円 実効税率 約6.2%
(例3)1億円の退職金を受け取る場合
(1億円−2,200万円)×1/2×税率40%−控除額2,796,000円
=12,804,000円(所得税)
手取り 約8,719万円 実効税率 約13%
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( ※ 記載内容は、平成19年1月現在のものです ※ )